味見するのは小皿でね!

こんにちは、

良いことも悪い事も最上級。

ハモニカのぼるです。

 

飲食店員だからこそ余計に気になる事が多々ありますが

先日訪れた店での出来事をお話ししましょう。

 

 

カウンター越しに調理している姿が見える

オサレなオープンキッキンの店に行きました。

厨房内の仕事を眺めながらお洒落なグラスで

ワインを飲み料理が来るのを待っていました。

 

シェフがニョッキをフライパンに入れて

ソースと合わせ火にかけ始めました。

 

「おっ、僕の頼んだゴルゴンゾーラのニョッキだ!もうすぐ来るぞー。」

 

内心ワクワクしながら

お洒落な店なので気取った顔で待つ私。

私はいつも白ワインを飲みます。

ゴルゴンゾーラを白ワインで流し込む。

これ最高です!!

来たるべくその瞬間を待ちつつ

私はシェフの手元を眺めていた。

その時、

シェフがおもむろに銀色に光るスプーンを

手にした。

そのスプーンを私が心待ちにしている

ゴルゴンゾーラのニョッキにズブリと差し込んだ。

シェフは小難しい顔をしながらそのスプーンを

口に入れた。

 

「あー。味見かー。

どんなに作りなれても味見は大切だよねー。

体調で味が変わって感じる事も有るから。

一回一回ちゃんと味を確かめる。

ホント大切ー。」

 

シェフはスプーンを元の場所に戻した。

 

またフライパンを何回か揺らしソースの

具合を見ていた。

 

そしてまたさっきのスプーンを

手にして、、、

 

えっ、あっ、えっ、えっ、えーーーー

 

シェフは当たり前のようにそのスプーンを

再度私が心待ちにしているゴルゴンゾーラ

ニョッキにズブリと差し込み味見をした。

 

(´ཀ`)オェー。

 

その後、何度となくそのスプーンは

ズブリ、ズブリと差し込まれた。

私は右手に持った白ワインを一気に飲み干した。( ´Д`)

 

シェフが頷き味見が終わると

シェフのプニッとした唇を何往復もした

スプーンでお皿に盛り付け始めた。(*_*)

極上のソースを残さぬように何度も何度も

フライパンの底を撫でながら

残りの一滴も残らない様にスプーンで丁寧に

皿に入れた。

 

出来上がったゴルゴンゾーラのニョッキを

「お待たせしましたー。」と

他の従業員に手渡した。

 

シェフをチラッと見たら最後に

またスプーンを口にしていた、、、。

 

何回味見とんねん !!(´ཀ`」

 

そうしてようやく、

いや、とうとう私の目の前にゴルゴンゾーラ

ニョッキが運ばれてきたのであった。

 

「お待たせいたしました。ゴルゴンゾーラのニョッキでございます。」

 

「もはや待ってはいなかったよオネーサン」

心の中でつぶやく私、、、。

 

細菌は63度以上で殆ど死滅し、

80度を超え生き残れる物はいないと言う。

 

私はジュースの飲み回し、グラスの飲み回し

が苦手である。

その理由は常温であるが為に細菌が死滅しておらず菌が繁殖しているかもしれない

危険な状態だから、、、

 

では無い!!

 単純に気持ち悪いからだ!!

このシェフの行動は私にとって

 

(´ཀ`)

 

だが可愛いねーちゃんが持ってきた

ゴルゴンゾーラのニョッキを口にしないわけにはいかない。

 

シェフも訝しげな顔をしながら

こちらの様子を伺っている。

 

ゴォーーラァー!!

あんた、あんた、あんたのせいなのに!!

「❓なんでたべないのかなぁ?」

みたいな顔しやがってーーーー!ウキー💢

 

店内を見渡すと満席である。

この中のみんながシェフの三種の神器の1つで

あろう、あのスプーンで味見した料理を

食べているのだろう。

シェフは次のオーダーを作りながら

スプーンで味見を繰り返す、、、。

 

んーーー仕方なし!

食材に罪は無い!

食べずに残す選択肢は

俺の辞書には書いてはいない!

 

フンーー!と鼻息荒くニョッキを

ズブリとフォークで刺し、

口にほうばった。

 

旨しーーーーーーーーーー!

 

普通に美味しい。

 

だからこそ悔やまれる悪魔の作法。

 

あの味見さえ無ければ、

 

あの姿さえ見なければ、

 

見ていなければよかった、

 

いやいやいや

見ていないなら良いとかの話じゃない。

 

そもそも衛生的にあかんやろーーーー!

 

脳内で話し合いを続けながら

何事もなかったかの様にゴルゴンゾーラのニョッキを食べ続けた。モグモグモグ。旨し!

 

しばらくして可愛いねーちゃんがやってきて

ました。

 

「お味はいかがですか?」

 

「おいしいです。」

 

弱い私、、、、しかしここは。

よーし言ってやるぞ!

他のお客さんの為にも!

同じスプーンで味見をするなと!

この後来るであろう数百、数千のお客さんが

不快な思いをしないように!

よーし、、、。

 

「お客様どうかされましたか。」

 

 「 あっえと、ワインのお代わりを下さい。」

 

やはり弱い私、、、グスッ😭

 

残さず食べ終わり私はその店をでた。

 

全ての料理人にお願いします。

味見は小皿でね。

 

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